ひととなり(Vol.1):くだものだけじゃない⁉ 松川町でこだわりのお米を作る

 松川町と聞くと、特産の梨やりんご、さくらんぼなどから、「くだものの里」というイメージを持たれる方が多いと思います。

 実は、松川町ではくだものの以外にもお米作りや野菜作り、養豚も行われているほか、シードルにワイン等々、美味しいものがたくさん作られています。「美味しいものであふれた町」、それが松川町です。

 今回は、前河原地域でこだわりのお米を作っていらっしゃる4名の方に、前河原のお米と町についてのお話をお聞きしてきました。

 また、県外に暮らす学生へのメッセージもいただいてきました。

(2020年5月下旬に取材)

※ 松川町では、新型コロナウイルス感染症の影響により、帰省等移動の自粛やアルバイト等による生活費の確保が困難となっている松川町出身で町外在住の学生の皆さんに、仕送り物資と仕送り助成金を給付する事業を行っています。

 そこで、学生の皆さんへのメッセージも併せてお聞きしました。

 詳しくはこちらの専用ページをご覧ください

前河原ってどこ? 松川町でお米?

 松川町は、東西の山から町内を流れる天竜川に向かって河岸段丘が広がっています。

 今回、特集する前河原地域は、天竜川流域の西側に広がる町の一大水田地帯です。

 お米作りに適した寒暖差のある気候に加え、豊富な水資源に恵まれ、お米作りに最適な地域です。

 前河原産のお米は、平成28年度、平成29年度と2年続けて献上米として献納さており、長野県の中でも美味しいお米ができる地域でもあります。

 松川町では、前河原地域以外の地域でもお米を作っていますので、町内のお米を食べ比べしてみるのも面白いかもしれませんね。

まえがわらのふうけい
まえがわらのばしょ

菅沼 晃(すがぬま あきら)さん

故郷を思い出しながらお米を食べてほしい

 美味しいお米を作って喜ばれたいという思いから始めて、就農して今年で15年目。

 若い人にもお米作りに携わっていただけるよう、これからその環境づくりもしていきたいと考えています。

 私自身、松川町を離れていた時期があり、それまでは当たり前に思えた果樹の段々畑が、今では素晴らしい風景だと感じます。外に出て故郷のことを思い出すと、故郷の良さがわかると思います。

 学生のみなさんへメッセージ

 大変だと思いますが、故郷の家族や友人を思い、のどかな風景を思い出しながらお米を食べてほしいです。元気に勉強をして、周りの人を気にかけられる人になってもらえたらと思います。

大島 崇(おおしま たかし)さん

農業は楽しく、カッコイイ!!

 高齢でお米作りができなくなった方からも田んぼをお借りして、大型コンバインを使いながら夫婦で仲良く農作業をしています。高校3年生になる息子も就農を見据えて、最近トラクターに乗り、お米作りの手伝いを始めました。

 前河原のお米がそうであるように、松川町は全般的に美味しいものができる土地です。これからは、若い人とその力が、こうした松川町の豊かさを育んでいくカギとなると思います。

 学生のみなさんへメッセージ

  農業は楽しく、カッコイイ!!

 松川にいた時とは違った目線で、ふるさとの良さを見つけ、松川に戻ってきてほしいと願っています。

大島 賢悟(おおしま けんご)さん

お米作りの良さを次の世代に伝える

 保育園の園児の皆さんにお米作りを教えて、お米作りの良さを次の世代に伝えています。

 美味しいお米を作るよう、日々努力をしています。ぜひ皆さんからもこのお米を紹介していただいて、"前河原産”のお米が魚沼産にも負けないくらいのブランド米になればと思います。

 学生のみなさんへメッセージ

 新型コロナウイルスで3月から5月にかけ、大変な思いをされたと思います。私たちの作ったお米を食べて、終息したら、また町に帰ってきてお米を食べてほしいと思います。美味しいお米を作って土地を守っていくので、皆様も頑張ってください。

宮下 弘希(みやした ひろき)さん

子どものように育てた、こだわりのお米です

 余分な肥料を与えず、自然本来の力で稲を育てています。適度に厳しい条件で稲を育てた方が、お米の味が美味しくなります。子どものように育てた、こだわりのお米です。

 松川町は高低差があり、果樹、野菜となんでもできるところです。気候変動に伴い、くだものの里松川は、時代に合わせ作物も変わり始めています。

 学生のみなさんへメッセージ

 いずれ皆さんには松川町に帰ってきてほしい。町から離れた場所で暮らすことになっても、いつまでも故郷に思いを馳せてほしいと思います。そして、将来、テレビや報道を通じて、皆さんの頑張っている姿を見せてくれることを願っています。

前河原産のお米はどこで食べれるの?

ごぼとん丼の写真

 今回、お話をお聞きした4名の皆さんが作ったお米は、町営の信州まつかわ温泉 清流苑(せいりゅうえん)で提供しています。

 前河原産のお米を食べたい!という方は、ぜひ清流苑へお越しください。

※ 右の写真は、清流苑のレストラン梨花で提供しているご当地丼、「ごぼとん丼」の写真です。豚肉とごぼうの味を、甘く、香り豊かな前河原産のお米お米がそっと寄り添い、味を際立たせています。

 

ちょっとここで coffee break ☕

 このコーナーでは、取材中に発見した耳より情報を紹介します。

新たな特産品になるかも!甘いカラーピーマン? ガブリエル?

ガブリエルの写真

 今回取材をしていく中で、カラーピーマンの一種でガブリエルという野菜が松川町で作られていること知りました。

 甘く、ビタミン豊富なカラーピーマン、ガブリエル。色は黄色と赤色があります。

 そしてそのガブリエルにいち早く目を付け、日本で生産が始まった頃から生産を始めた人がなんと、今回お話をお聞きした宮下 弘希さん‼

 ハウスの中を見学させていただきましたが、清潔で手入れが行き届いたハウスの中に、青々と茂ったガブリエルが‼

 取材した5月下旬はまだ成長途中で色づいてはいませんでしたが、生命力にあふれ生き生きと育つガブリエルが、松川町の新たな特産品になってほしいと願います。

むすび

 いかがでしたでしょうか、くだものの里松川町では、果物以外にも作物が作られています。今回特集した前河原のお米の4名の生産者の皆さんそれぞれが、こだわりを持ち、愛情を注いでお米を作られていらっしゃいました。

 実は、お話をお聞きした内の3名の方は、一度松川町を出られた後、松川町に帰って来てお米作りをされていらっしゃるとのことです。

 どの方も、故郷の松川町を大切に思い、松川町で暮らし、次の世代に故郷の良さを伝えて行こうと語ってくださりました。

 また、ガブリエルの栽培という新たな取り組みの芽が、松川町で生まれていることも知ることができました。

 今後も、松川町に暮らすひとを通じて、松川町ならではの「ひとと暮らし」を紹介していきますので、またご覧いただけると幸いです。

更新日:2020年06月28日