部奈の埋もれ木跡のあるミソベタ層

部奈ミソベタ層

部奈の埋もれ木跡のあるミソベタ層

文化財概要

 

  1. 名         称      部奈の埋もれ木跡のあるミソベタ層
  2. 指定年月日      令和5年2月1日
  3. 指 定 根 拠      松川町文化財保護条例第5条第1項
  4. 指 定 区 分      天然記念物  3 地質鉱物  学術上貴重で、この地方の自然を記念するもの

 

ミソベタ層とは?

ミソベタ層は、岡谷・諏訪・塩尻地域で活動した塩嶺火山からもたらされた火山泥流が堆積したわずか2~3mの地層です。濡れるとべたついた味噌のような印象をうけることからこのように名付けられました。

ミソベタ層は堆積年代約200万年前~70万年前とされる伊那下部層・上部層にはさまれており、約180万年前~100万年前の一時期に形成されたものと推定されています。

その分布域は、松川町部奈から飯田市下久堅までであり、町内では部奈・福与のほか、下小松川橋付近の川床や馬坂・古町の斜面で分布が確認されています。

松川町の天竜川右岸に分布する以外は、部奈から飯田市まですべて天竜川左岸に分布しているのも特徴の一つです。

ミソベタ層は塩嶺火山に由来するものでありながら、上伊那地域ではほとんど確認できない下伊那北部の特徴ある地層といえます。

部奈のミソベタ層が珍しいワケ

埋もれ木跡のあるミソベタ層

複数の埋もれ木跡が露出するミソベタ層

最大の埋もれ木跡

最大の埋もれ木跡

部奈は松川町から飯田市にかけて分布するミソベタ層の最北端で、これまでに複数の露頭が発見されています。

なかでも天竜川沿いの急斜面に分布する露頭では数百メートルにわたって連続的な露出が確認できます。

さらには、これまでほかの地区ではでほとんど報告されてこなかった、火山泥流に巻き込まれた樹木が風化してできたとみられる多量の「埋もれ木跡」を観察することができる貴重な場所です。

この埋もれ木跡は、部奈の価値ある自然を発掘する目的で部奈地区里山整備利用推進協議会と松川町文化財審議委員 坂本正夫氏(飯田市美術博物館客員研究員)によって行われた調査で発見されたもので、すでに報告されていた2本を加えて合計111本の埋もれ木跡が発見されました。

これらの埋もれ木跡は、火山泥流に巻き込まれたことでなぎ倒されたり、押し込まれたりした樹木が風化し空洞化したものと考えられ、一部の穴からは風化した樹木片が見つかっています。

穴の大きさは最大で直径30cm以上、長さは少なくとも5.76m以上とみられます。

部奈ように集中的に埋もれ木の痕跡が発見された例は他地区にはなく、下伊那地域に広く分布するミソベタ層のなかで部奈は極めて特異な場所であるといえます。

地図(Googleマップ)

アルプスビューファームズ部奈 展望公園

この記事に関するお問い合わせ先

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〒399-3303
長野県下伊那郡松川町元大島3720
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更新日:2023年02月01日

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