○松川町発注建設工事の入札における工事費内訳書取扱要領
令和2年9月30日
要領第3号
第1 目的
この要領は、松川町が発注する建設工事の入札について、入札及び契約における不正行為の排除を徹底するとともに、入札参加者の積算努力の促進を図るため、入札者に工事費内訳書の提出を求めることに対し、必要な事項を定めるものとする。
第2 工事費内訳書の要件
2 設計金額(消費税及び地方消費税を含む。)が4,000万円未満の工事は、様式第2号を用いることができるものとする。
3 工事費内訳書は、次の各号に定める事項を備えていることを要する。ただし、これによりがたい場合は、任意項目によることができるものとし、記載する項目を入札公告又は指名通知書において示すものとする。
(1) 入札参加者名、工事名及び工事場所
(2) 工事費の内訳となる各項目に対応した数量、単位、単価及び金額。ただし、前項の工事にあっては、金額のみで差し支えないものとする。
(3) 工事費の内訳となる記載を要する項目は、(表―1)のとおりとする。ただし、前項の工事にあっては、(表―2)のとおりとすることができる。なお、記載を要する項目に加え、さらに項目の詳細を記載することは差し支えないものとする。
(表―1)
工事種別 | 記載を要する項目 |
土木一式工事、舗装工事、しゅんせつ工事 | 内訳細別(新土木工事積算大系の工事工種体系における細別)まで |
建築・設備関連工事 | 種目別内訳、科目別内訳及び中科目別内訳並びに細目別内訳まで |
(表―2)
工事種別 | 記載を要する項目 |
土木一式工事、舗装工事、しゅんせつ工事 | 内訳工種(新土木工事積算大系の工事工種体系における工種)まで |
建築・設備関連工事 | 種目別内訳及び科目別内訳まで |
第3 工事費内訳書の提出
工事費内訳書の提出については、入札会における、第1回目の入札書提出時に入札書と併せて提出させるものとする。
第4 工事費内訳書の審査等
工事費内訳書の審査等については、次の各項のとおりとする。
(1) 入札執行前に不自然さ及び談合情報等がない場合
設計金額4,000万円以上の工事
① 審査の内容 | 1次チェック、2次チェック、3次チェック |
② 審査の対象 | 全入札参加業者 |
③ 審査の時期 | 1次・2次・3次チェックは落札候補者決定後、落札決定前までに行う。 |
④ 審査者 | 1次・2次・3次チェックは積算担当者 |
⑤ 審査の結果 | 第5に該当する場合(軽微な誤記等を除く。)は、その者の行った入札を無効とする。 なお、該当者については、様式第3号により、その旨を通知するものとする。 |
設計金額4,000万円未満の工事
① 審査の内容 | 1次チェック |
② 審査の対象 | 全入札参加業者 |
③ 審査の時期 | 原則として入札執行時の開札時 |
④ 審査者 | 入札担当者(2人以上) |
⑤ 審査の結果 | 第5(1)に該当する場合(軽微な誤記等を除く。)は、その者の行った入札を無効とする。 なお、該当者については、様式第3号により、その旨を通知するものとする。 |
(2) 入札執行前に不自然さ及び談合情報等があったが事実が認められない場合
設計金額4,000万円以上の工事
① 審査の内容 | 1次チェック、2次チェック、3次チェック |
② 審査の対象 | 全入札参加業者 |
③ 審査の時期 | 1次・2次・3次チェックは落札候補者決定後、落札決定前までに行う。 |
④ 審査者 | 1次・2次・3次チェックは積算担当者 |
⑤ 審査の結果 | 第5に該当する場合(軽微な誤記等を除く。)は、その者の行った入札を無効とする。 なお、該当者については、様式第3号により、その旨を通知するものとする。 |
設計金額4,000万円未満の工事
① 審査の内容 | 1次チェック、2次チェック(必要に応じ3次チェックを行う。) |
② 審査の対象 | 全入札参加業者 |
③ 審査の時期 | 1次チェックは原則として入札執行時の開札時 2次チェックは落札候補者決定後、落札決定前までに行う。 |
④ 審査者 | 1次チェックは入札担当者 2次チェックは積算担当者 |
⑤ 審査の結果 | 第5(1)(2)に該当する場合(軽微な誤記等を除く。)は、その者の行った入札を無効とする。 なお、該当者については、様式第3号により、その旨を通知するものとする。 |
(3) 入札執行後、入札結果等に不自然さがあった場合及び談合情報等があり、談合情報等の落札予定者と入札の結果による落札候補者が一致した場合
※「入札結果に不自然さがある場合」とは、以下の例示に該当した場合とする。
ア 1者を除いて他の全ての入札参加者の入札額が予定価格を上回っている場合
イ 落札者を除きすべて同額札であるものなど、通常では考えられないような入札結果となった場合
ウ 最低制限価格を設定している入札において、1者を除いて他の全ての入札参加者の入札額が落札に有効な価格の範囲(最低制限価格以上予定価格以下)にないもの。ただし、ランダム係数次第で、前記の価格の範囲に2者以上入る可能性があるものは除く。
エ 前各号に例示する以外に案件毎に発注者が、不自然さがあると判断した場合
全ての工事
① 審査の内容 | 2次チェック、3次チェック |
② 審査の対象 | 全入札参加業者 |
③ 審査の時期 | 開札後、業者選定委員会前までに行う。 |
④ 審査者 | 積算担当課の担当係長以上と係員(2人以上) |
⑤ 審査の結果 | 2次、3次チェックの審査結果をもとに、業者選定委員会において、当該入札の有効性の判断を行う。 また、談合の疑いがあると判断される場合は、全ての入札参加者に対し事情聴取を行い、松川町談合情報対応マニュアルに基づき対応することとする。 |
第5 入札を無効等とする場合の判断基準
(1) 1次チェックについて(未提出又は不備があるかの確認)
チェック項目(必須)
類型 | No | 未提出又は不備とされる場合 | 備考 |
1 未提出であると認められる場合(未提出であると同視できる場合を含む。) | (1) | 内訳書の全部又は一部が提出されていない場合 | |
(2) | 内訳書とは無関係な書類である場合(例:領収書、会社概要など) | ||
(3) | 他の工事の内訳書である場合 | ||
(4) | 白紙である場合 | ||
(5) | 内訳書が特定できない場合 | (注1) | |
(6) | 他の入札参加者の様式を入手し、使用している場合 | (注2) | |
2 記載すべき事項が欠けている場合 | (1) | 内訳の記載が全くない場合 | |
(2) | 入札公告(共通事項書を含む。)又は入札執行通知書に指示された項目を満たしていない場合 | (注3) (注4) | |
3 記載すべき事項に誤りがある場合 | (1) | 発注者名に誤りがある場合 | (注3) |
(2) | 発注案件名に誤りがある場合 | (注3) | |
(3) | 提出業者名に誤りがある場合 | (注3) | |
(4) | 内訳書の合計金額が入札金額と異なる場合 | (注4) | |
4 その他未提出又は不備がある場合 | (注3) (注4) (注5) |
(注1)複数提出された工事費内訳書の表記・内容等から当該入札案件に対応したものが特定できる場合は、有効として取り扱うことができるものとする。
(注2)併せて後出「2次チェック表①」を参照すること。
(注3)軽微な誤記の場合(同一性が確認できる場合)は、無効としないことができる。
(注4)a 工事費内訳書の合計金額と入札金額が一致していない場合は、入札を無効とする。
b 工事費内訳書中に、「値引き」という項目を設定している場合及びマイナス計上の項目(スクラップ控除等マイナスで計上すべきものは除く。)がある場合は、入札を無効とする。値引きという項目を設けるのではなく、金額を引き下げた部分は引き下げをした後の金額(単価)で見積金額を記載すること。
なお、端数処理についても「値引き」という項目を設定して行わず、現場管理費や一般管理費などで行うこと。
(注5)法定福利費の記載がないことをもって、入札を無効としない。
(2) 2次チェックについて
チェック項目(必須)
チェック項目 | No | 談合の疑いがあるとされる場合 | 具体例(注3) |
書式等の他の入札参加者との比較 | ① | 書式、書体等が他者と同一である場合(注1) | 2者の書式・書体等が同一 |
金額の他者との比較 | ② | 金額が同一(類似している場合も含む。)である部分が複数者に共通して積算項目の多項目にわたり存在する場合 | 入札参加者5者のうち2者において、積算項目のうち2項目が同一の金額となっている(ただし、積算単価を公表しており、一致することが予測できる場合を除く。) |
表記上の誤りの確認及び他の入札参加者との比較 | ③ | 複数者に共通して同様の表記上の誤り、違い等が存在する場合(積算項目、単位、公表数量、工事名等) | 2者について、「床版工」が「床床版工」となっている等の共通した誤りが2箇所確認される。 |
電子ファイル作成者等の確認 (注2) | ④ | 電子データ上当該提出業者以外の者の関与が確認される場合 | 他者の内訳書に上書きして作成していた記録が存在 |
(注1)様式が他者と同一である場合は、関係者間で情報交換を行った可能性があるため、談合の疑いがあるものとして取り扱う。
(注2)電子ファイルのプロパティ等を確認し、作成者が別の業者名になっていないか、作成日、更新日におかしな点はないか等を確認する。
(注3)例であり、談合の疑いがあるかどうかについては、案件毎に判断すること。
(3) 3次チェック(工事費内訳書の分析)について(分析結果については、適宜事情聴取に反映させる等により活用)
チェック項目(2次チェックに加え、必要に応じて実施)
分析項目 | No | 着眼点 |
金額(比率)の他者との比較 | ⑤ | 金額が特定の者に対する一定割合の金額差となっていないか |
金額(比率)の官積との比較 | ⑥ | 複数者の金額が官積に対して共通の乖離傾向を示していないか |
第6 提出された工事費内訳書の取扱い
(1) 提出された工事費内訳書の引換え、変更又は撤回(取消)は認めない。
(2) 提出された工事費内訳書は、返却しない。
(3) 提出された工事費内訳書は、必要に応じ公正取引委員会に提出する。
第7 工事費内訳書の不備で入札が無効となった者の取扱い
工事費内訳書の不備で入札が無効になっても、談合等不正な行為が確認できなければ、指名停止措置は行わない。
第8 落札決定後に落札者以外の入札参加業者の工事費内訳書に不備が判明した場合の措置
落札候補者の工事費内訳書の審査の結果、落札者を決定した後に落札者以外の入札参加業者の工事費内訳書による入札の無効が明らかになった場合においても、落札決定後の入札事務を妨げないものとする。
第9 工事費内訳書の保管期間
工事費内訳書の保管期間は、契約者分については入札終了月の翌月から5年間、その他の入札参加者分については入札終了月の翌月から1年間とする。
附則
この要領は、令和2年10月1日から施行する。