○松川町環境保全条例
平成11年6月22日
条例第16号
目次
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 基本的施策等(第7条―第12条)
第3章 日常生活の環境配慮(第13条―第18条)
第4章 公害の防止(第19条―第28条)
第5章 松川町環境審議会(第29条―第31条)
第6章 雑則(第32条・33条)
附則
第1章 総則
(1) 環境への負荷とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(2) 公害とは、事業活動及び人の活動に伴って発生する生活環境の侵害であって、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、悪臭及び地盤の沈下によって人の生命若しくは健康が損なわれ、又は快適な生活が阻害されることをいう。
(3) 町民とは、松川町に住居を有する者及び松川町の地域に滞在する者及び一時的に滞在する者をいう。
(4) 事業者とは、松川町内において財貨及びサービスの生産又は提供が人及び設備を有して継続的に行われる経済活動で、建設業、製造業、卸・小売業、飲食業、サービス業及び農業等の事業活動を行う者をいう。
(基本理念)
第3条 環境の保全及び創造は、すべての町民が、健康で文化的な生活を営むうえで必要とされる、健全で恵み豊かな環境を受ける権利があり、なおかつその環境を将来の町民に引き継いでいく責任があることを理解したうえで、積極的に行われなければならない。
2 環境の保全及び創造は、人間が自然から多く恵みを受けていることを認識して、生態系の均衡及び生物の多様性の確保に配慮し、自然と人とが共に生きていくことを目的として行われなければならない。
3 環境の保全及び創造は、環境資源及び環境の価値が有限であることを認識して、資源・エネルギーの合理的かつ循環的利用等により、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を構築することを目的として行われなければならない。
4 地球環境の保全は、地域の環境が地球環境と深く係っていることから、すべての事業活動や日常生活において、地球環境の保全に役立つよう行われなければならない。
(町長の責務)
第4条 町長は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全及び創造に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
2 町長は、自らその社会経済活動に際して、環境の保全及び創造に役立つ取組みを率先して実行するとともに、町民及び事業者の環境の保全及び創造に役立つ取組みを支援する責務を有する。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、基本理念にのっとり、事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずる公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。
2 事業者は、事業活動において、環境への負荷の低減その他環境の保全及び創造に自ら努めるとともに、町が実施する環境の保全及び創造に関する施策(以下「環境施策」という。)に協力する責務を有する。
(町民の責務)
第6条 町民は、基本理念にのっとり、日常生活において資源・エネルギーの節約、廃棄物の排出抑制等により、生活環境を快適に保持するよう努めなければならない。
2 町民は、環境の保全及び創造に自ら努めるとともに、町が実施する環境施策に協力する責務を有する。
第2章 基本的施策等
(環境基本計画)
第7条 町長は、環境施策を総合的かつ計画的に推進するため、松川町環境基本計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
2 町長は、環境基本計画を定めるに当っては、町民の意見が反映されるよう努めるとともに、松川町環境審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。
3 町長は、環境基本計画を定めたとき又は変更したときは、速やかにこれを公表しなければならない。
(規制的措置)
第8条 町は、公害の原因となる行為及び自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な環境基準を規則で定めることができる。
2 前項に定めるもののほか、町は、国・県の講ずる規制措置を町民及び事業者が遵守することに関し必要な指導に努めるものとする。
(経済的措置)
第9条 町は、事業者又は町民が自ら環境への負荷の低減のために施設の整備その他の適切な処理をするよう誘導するため、助成その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(環境教育及び環境学習の推進)
第10条 町は、事業者及び町民の環境の保全及び創造についての関心と理解が深められるよう、関係団体と協力して環境教育及び環境学習の推進に努めなければならない。
(町民等の自発的な活動の推進)
第11条 町は、事業者、町民及び民間団体が自発的に行う環境美化活動、再生資源に係る回収活動その他の環境の保全及び創造に関する活動が促進されるよう、必要な措置を講ずるものとする。
(良好な景観の形成)
第12条 町は、豊かな自然と個性豊かな環境を確保するため、美しい緑地及び農地の保全、歴史的文化施設の保全並びに活用その他の良好な景観の形成に関し必要な措置を講じなければならない。
第3章 日常生活の環境配慮
(燃焼不適物の焼却禁止)
第13条 何人も、焼却に伴い、著しいばい煙、悪臭及び有毒ガス等を発するおそれのあるものを焼却してはならない。
(埋立て及び焼却の抑制と土壌汚染の防止)
第14条 何人も、廃棄物の処理に当っては、埋立て及び焼却処分を最小限として、環境への負荷の少ない循環型社会の構築に努めなければならない。
2 何人も、土壌汚染を防止するために、汚染原因となる物質を埋め立てたり排出したり又は投棄してはならない。
(ポイ捨て等の禁止)
第15条 何人も、公園、駐車場、道路、河川、山林その他公共の場所及び住民が所有し又は管理する場所に空き缶、たばこの吸い殻、紙くず等をポイ捨てしてはならない。
(水質の汚濁防止)
第16条 何人も、河川又は井水の浄化及び地下水保全のため、適切な排水処理に努めなければならない。
(騒音及び悪臭の防止)
第17条 何人も、快適な生活を阻害するような騒音及び悪臭を発生させないよう努めなければならない。
(大気の汚染防止)
第18条 何人も、大気汚染防止のため汚染原因となる物質を含む製品を使用しないよう心掛けるとともに、大気中に放出しないよう努めなければならない。
第4章 公害の防止
(事業計画書の届出等)
第19条 公害を防止し、良好な環境の保全及び創造をするため、県に届出義務を有する事業を除き、規則で定める事業(以下「特定事業」という。)を行おうとする者は、あらかじめ次の各号に掲げる事項を記載した書類により町長に届け出て、公害防止施設について確認を受けた後でなければ、当該施設についての工事に着手してはならない。
(1) 事業所の名称、所在地及び代表者の氏名
(2) 事業の種類及び規模
(3) 公害防止施設の構造又は処理の方法
(4) その他規則で定める事項
3 町長は、前項の届出を受理したときは、速やかに確認を行うものとする。
(特定事業の実施の制限)
第20条 前条の規定による確認を受けたものが、当該確認事項について工事を完了したときは、町長に届け出て検査を受けた後でなければ事業を開始してはならない。
2 前項の検査は、当該届出を受理した日から起算して7日以内に行わなければならない。
(特定事業以外の事業計画の提出等)
第21条 町長は、県に届出義務を有する事業であっても、当該地域に重大な影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、あらかじめ当該事業に係る計画書等の提出・事前説明及び協議等を求めることができる。
(勧告)
第22条 町長は、第20条の検査の結果、当該事業活動により公害が発生するおそれがあると認めるときは、その者に対し施設の構造又は処理方法の改善その他公害防止について期限を定めて必要な措置を行うよう勧告することができる。
2 町長は、事業活動により公害が発生したとき、又はこの条例で定める環境基準に適合しないときは、当該事業者に対し、施設の構造又は処理方法の改善その他公害防止について期限を定めて必要な措置を講ずるよう勧告できる。
3 前2項の勧告を受けたものが、当該勧告に係る必要な措置を行ったときは、速やかに町長に届け出て検査を受けなければならない。
(命令)
第23条 町長は、前条の規定により勧告を受けた者が、定められた期限内に当該勧告に基づく措置を行わないときは、期限を定めて当該措置を行うべきことを命令することができる。
2 前項の命令を受けた者が、当該命令に基づく措置を行ったときは、速やかに町長に届け出て検査を受けなければならない。
3 町長は、第1項の規定により措置の命令をしようとするときは、審議会の意見を聴かなければならない。
(協定の締結)
第24条 町長は、事業者がその事業活動に伴って公害が発生するおそれがあると認められるときは、事業者と環境の保全及び創造に関する協定について協議し、その締結に努めなければならない。
(苦情の処理等)
第25条 環境の保全及び創造に関する苦情又は紛争が生じたとき、当事者は町長に対してその苦情又は紛争処理に係る和解の斡旋を申し出ることができる。
2 町長は、前項の規定による申し出があったときは、速やかに実情を調査し、その苦情又は紛争について適正に解決するよう努めなければならない。
3 町長は、前項の規定による苦情又は紛争を処理するにあたって必要があると認めるときは、審議会の意見を聴くことができる。
(報告の聴取及び立入検査)
第26条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、特定事業を行おうとしている事業者又は特定事業を行っている事業者に対して、報告を求め又は職員をして事業所その他の場所に立入り、施設その他の物件等を検査させることができる。
2 前項の規定により、立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携行し、必要なときは関係者に提示しなければならない。
(罰則)
第27条 第23条第1項の規定による命令に違反した者は、10万円以下の罰金に処する。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の罰金に処する。
(3) 第22条第1項に規定する勧告に従わなかった者
(5) 第23条第2項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
(6) 第26条第1項の規定による報告を拒み、若しくは虚偽の報告をしたもの又は立入り検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第5章 松川町環境審議会
(設置)
第29条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、松川町環境審議会(以下「審議会」という。)を設置する。
2 審議会は、この条例において意見を聴くこととされているもののほか、環境の保全及び創造に関する基本的事項を調査又は審議するものとする。
(組織等)
第30条 審議会は、委員20人以内で組織する。
2 委員は、次の各号に掲げる者のうちから町長が任命する。
(1) 町議会議員
(2) 知識経験者
(3) 民間諸団体の代表者
3 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 審議会に、会長及び副会長各1人を置き、委員が互選する。
5 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
6 副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるときはその職務を代理する。
(会議)
第31条 審議会は、会長が招集し、会長が会議の議長となる。
2 審議会は、委員の過半数の出席がなければ会議を開くことができない。
3 審議会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
第6章 雑則
(環境調査員)
第32条 町長は、町の環境美化の推進を図り、良好な生活及び自然環境を保全することを目的とし、環境調査員を設置するものとする。
2 環境調査員に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成11年9月1日から施行する。
(松川町公害防止条例の廃止)
2 松川町公害防止条例(昭和54年松川町条例第8号)は、廃止する。